EUEO2012の屈辱から1年、チームは大きな成長を果たした
ユベントスというよりは、どこかナポリ風味の3バック。実際前半17分、36分のビッグチャンスに絡んだのは右アウトサイドのマッジョで、サイドからゴール前に飛び出してシュートを狙うスタイルは、やはり3バックの右MFで闘うナポリの時そのものだ。
「ボールがゴールへ入りたがらなかったようだ。僕たちは時間帯によってはスペインを凌駕していたのにね」とマッジョは残念がっていた。
もっとも、9本ものシュート放った前半に比べると、後半はスローダウン。ヘスス・ナバスらの投入で、スペインが修正に成功した一方、流れを変えるための交代策に欠けたのが痛かった。そのあたりは、急造フォーメーションを導入したことの弊害か。
さらに足の止まった延長前半は一方的に相手に押しまくられた。ただ、最終ラインは高い集中力を発揮してゴールを守り切る。またPK戦に突入すると、チップキックを決めたカンドレーバをはじめ5人全員が成功、サドンデスに突入してもモントリーボが決めるなど、全員が研ぎすまされた集中力と技術を見せていた。
結局試合はボヌッチのミスで敗れるが、「PKに失敗するのはPKを蹴りに行った(勇気のある)奴だけだ。レオ(ボヌッチ)はシーズン中の練習ではいつも決めていた。こういうミスはバッジョだってやることだから、全員に起こりうるものだ」とキエッリーニは擁護した。
0-4で破れたEURO2012決勝の屈辱から1年、チームはスペインと互角の勝負を演じるところにまで成長。
「技術的には世界王者と同等の内容を披露することが出来たし、戦術や精神面でも成長を見せられた。今日の選手たちの闘い振りは感動的ですらあった」とプランデッリ監督は語っていた。「クアリタ(質)の向上」を標語に掲げ、攻撃的なサッカーへの転換につとめた同監督の仕事が、1年後のW杯でどう結実するのか楽しみだ。
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