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【ロングインタビュー】カルロ・アンチェロッティ、勝者の戦術論(中編)

このたびレアル・マドリーの監督に就任することが決まったカルロ・アンチェロッティ。これまで率いてきたチームでは、柔軟にシステムを変化させ、選手の人心を巧みに掌握し、セリエA、プレミアリーグ、CL、クラブW杯など数々の功績を残してきた。欧州屈指の強豪をつくりあげてきた 手腕と戦術メソッドとはいかなるものなのか? インタビューはパリ・サンジェルマンの監督に就任した直後のものだが、彼の戦術論を十分に知ることができる。

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

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私はアンリの起用法で大失敗を犯している

――今日のバルサ時代は、他ならぬアンチェロッティのミランがその時代を終えた直後に始まった。そう言えると思うのですが。

「おそらくはそう言えるのだと思うし、だとすれば、やはりその事実を私は本当に心から光栄に思う。私が率いたミランはCLを2度制し、ペップ(・グアルディオラ)のバルサはこの先もさらに数を増やしていくのだろうが、今にして同じく2度のCL制覇を遂げている。

 とにかく、私がミランを率いた時代(8シーズン、420試合)を振り返る度に思うのは、その戦績に大いなる矛盾を孕んでいたということでね。紛れもなく当時の欧州最強というべきチームだった03-04、04-05シーズンにはタイトルを逃し、逆に決して最強とは言えなかった02-03、06-07シーズンに我々はCL制覇を成し遂げている。

 今でも“悪夢”として思い出すのが(笑)……、ホームで4-1で勝利するも敵地で0-4というまさかの大敗を喫したあのラ・コルーニャとの準々決勝(04年4月7日)……と、もうひとつの悪夢はイスタンブールの夜。04-05シーズンCLファイナル、対リバプール。忘れもしない05年5月25日。3-0でリードするも後半に入って瞬く間に同点とされ、遂にはPK戦で敗れたというあの試合……。

 もちろん敗戦から多くを学んだからこそ後の成長があるとはいえ、あの二つの試合はまさに監督である私の責任、ただただ反省するしかない失敗だった。今にして言っても仕方無いんだが、仮にあの二つの失敗がなければ02-03、03-04、04-05、そして06-07シーズンの4度に渡りミランはCLを制覇……。本当に残念だよ(笑)」

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