「優勝」を口にするのは間違いじゃない
――アクセントをつけられる選手ということで、たとえば柿谷曜一朗や豊田陽平といった選手は、コンフェデ前には“待望論”もありました。
「試合中はそういった選手を使えば、なんて思わないよ。それはフェアじゃないから。ただ、選考の段階では多少思ったよ。国内では評価されていたし、やれる実力は持っているしね。コンフェデ以降で多少ザッケローニ監督の査定基準も変わるだろうし、今後は呼ばれる可能性は十分あると思う」
――課題は多いですが、「目標はW杯優勝」を口にする選手がいるなど、メンバーは高い目標を持っています。現段階で西野さんはザックジャパンの可能性はどれくらいだと予想しますか?
「コンフェデの結果を受けて『優勝なんてとんでもない』と言う人もいたけど、マンUやインテル、CSKAモスクワといった常に優勝を目指すクラブでプレーしている選手がいるからね。クラブは頂点を目指しているわけだし、個人的な目標として持つのは当たり前、間違いじゃないよ。
でも、チーム力はそれとイコールではない。もっと色んな化学反応を起こして、お互いの今とは違う力を引き出してレベルアップしないといけない。そういう意味でコンフェデで世界での立ち位置がわかったのは大きい。
今の段階で判断するなら現実的なW杯の目標はベスト8。優勝するにはチーム力の向上もそうだけど、やること(課題)は山ほどある。それを全部克服して、なおかつ他国よりも成長するなら優勝も可能だと思う。
なんにせよ、あと1年なわけだし、目標と現実を見極めながらやっていく必要がある」
【了】