諸刃の剣となるマルセロ
34分にダヴィジ・ルイスが負傷交代するアクシデントも見舞われると、代役で投入された地元サウヴァドール出身のダンテが、前半ロスタイムにCKのこぼれ球を蹴り込み、先制点(実際はオフサイドラインの前にいたのだが)。首位通過に向けて、ブラジルに試合は傾いたはずだった。
ところが、コンフェデ前にチームが抱えていた問題点が、露呈したのが後半の戦いだ。
「パウリーニョは守備が持ち味で、そこから前にも出て行く。僕はもっと足下でボールをもらいたがるスタイル」。この日、パウリーニョに代わってボランチに入ったエルナーネスは展開力とシュートセンスが持ち味で、中盤の底から起点となるものの、2ボランチの一角として強豪国に挑むにはやや守備に不安を残す。
51分にブラジルが許した今大会初の失点は、諸刃の剣となりかねないマルセロが競り負けたのがきっかけだ。「自分のチームに加えたいよ」とスコラーリ監督が冗談めかしたバロテッリの絶妙のアシストをジャッケリーニが蹴り込んだ。
積極的な攻撃参加はアクセントとなっている反面、今大会の優勝と来年の本大会に向けて、マルセロの守備のケアはスコラーリ監督の最重要課題の一つになりそうだ。
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