収穫と言えるメキシコ戦残り15分の姿勢
筆者としても戦術面や個の質より前にコンディションのことを語らなければならないのは残念だが、代表チームにおいて、来る大会にしっかり照準を合わせ、選手の状態も見極めることがいかに重要か、クラブの経験が豊富な指揮官も身を持って知った様子だ。
ポジティブに考えれば、今回の苦しい経験を大会前の準備、選手の選考、ブラジルでの衣食住、トレーニングといったものに活かすことができる分、コンフェデを経験しなかった前回より、経験値の高い状態で来年に臨むことができる。
その意味ではコンフェデを“明日の成功のための失敗”と捉えたいところだ。
ただ、そうした状況にあって感心したのはメキシコ戦のラスト15分に選手が再び奮起し、守備が多少バタバタになるのを覚悟で攻めの姿勢を示してくれたことだ。
特に長友の負傷を受けて左SBに回った今野の攻撃参加はすさまじく、また難しい時間に入った中村憲剛もメキシコの守備を掻いくぐりながら、本田や香川を再び前向きにさせた。後半41分に遠藤のパスから岡崎が決めた得点シーンは象徴的だった。
全体としては“消化不良”感がぬぐえない日本代表の戦いぶりの中、“濃密な15分間”で彼らが示した前に進む姿勢が、イタリア戦と共に、残り1年で実りある結果に結び付くことを願って止まない。また記事を書く側としても、厳しくも前向きに日本代表の冒険を見守りたいと考えている。
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