ボランチを注視する扇原、多くを語らない柿谷
一方の扇原は、「やっぱり(自分と同じ)ボランチを中心に見ますね」と自身のポジションの選手を追う。
「今のボランチは攻守両面で能力が高いし、リズムよく繋いでもいます。でも、自分にもキックやサイドチェンジといった特徴があるので、そこは自信を持ってやりたい。ただ、代表は1つのミスも許されないところだし、守備でも役割を果たさないと、代表ではやっていけない。もっともっと自分のレベルを高める必要はあります」と、現在のダブルボランチと自身との比較や、代表に選ばれるために足りないモノといった、より具体的な部分に目を向ける。
ただし、そんな山口も、同世代の東と工藤が選出された際は特別な感情が沸いた。
「負けていられないですね。でも、工藤くんにしてもしっかり結果を出しているし、選ばれて当然かなとも思う。自分たちも、これからJリーグでもっと結果を出して行けば、自然と目を向けてくれると思う」と意欲を示した。
一方、柿谷は代表については多くを語らない。
どちらかと言えば、「そういうイメージは実際に選ばれてからする」という山口のスタンスに近い。
はた目から見れば、香川、乾、清武とC大阪出身の2列目が活躍している以上、意識するな、という方が無理な話だとは思うが、先のことを意識し過ぎて今の自分を見失うようなことは、現在の彼にはない。
周囲の待望論が高まったW杯最終予選・オーストラリア戦前の代表発表の際も、「もちろん選ばれたらしっかりやるし、選ばれなくても足りないモノがあると受け止めて、自分の成長に繋げるだけ。自分としては常に自信は持ってやっているので、Jリーグでもっと上の順位に行けるよう、チームで頑張ります」と地に足のついたコメントを残した。
コンフェデ後の「競争」を示唆するザッケローニ監督。チーム全体の底上げや現メンバーへの刺激といった意味で、この3人に限らず、“旬”な若手の積極的な起用も望みたい。
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