イタリア戦で手応えを掴んだ部分を継続できるか
「ボールホルダーのパスコースがいっぱいある様に受け手も動くべきだし、それが続けばボールを取られず、アタッキングエリアにも入っていける」と中村。
日本がチャンスを増やすには、そうした意識をチームとして強く持って、継続する必要がある。イタリア戦で手ごたえを掴んだ部分だろうが、メキシコ戦で続けてできれば、残り1年の強化においてベクトルとなりうる。
もちろん、そうした動きを90分間続けるのは難しいが、うまくゲーム運びをしていきたい。ただ、あまり90分のオーガナイズを意識し過ぎると、選手の足並みが揃わずに、攻撃的に行く時にリスク管理の穴が、守備的に戦う時にセットバックし過ぎて、相手のアタッカーに付け入れられる危険性はある。
「いくつかのシステムを使い、スキルも高い。前線はいいものを持っているし、1対1にも強く諦めない。コンパクトなチームであり、勝利のメンタリティもある」とザッケローニ監督が評価するメキシコに対し、日本はどれだけの時間帯でボールの主導権を握り、また苦しい時に耐えられるのか。
バックアップの選手も個人としてアピールするだけでなく、チームの戦い方を共有して、勝ち切るための状況判断をもって、メキシコとの最終戦に挑んでいってほしい。その先には1年後に向けた、メキシコ戦ならではの発見もあるはずだ。
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