停滞感を吹き飛ばしたネイマール
両サイドバックの攻撃参加を試みるが故に、ルイス・グスターヴォとパウリーニョを配置しているスコラーリ監督ではあるが、例えばイタリアにピルロが、日本に遠藤保仁がいるように中盤の底に展開力のあるボランチが不在なのが、現在のブラジル。
コンフェデ杯直前のイングランド、フランス戦を含めてまだ4試合の積み上げしかないというエクスキューズはあるものの、攻撃陣の機能性はネイマールやオスカールら個の能力に依存していることが改めて露呈した。
敗れればグループリーグ敗退が決定的なメキシコも完全にマルセロのサイドを狙い打つ形で投入されたバレーラらを軸に再三、チャンスを作り出すが、王国のゴール前に立ちはだかったのが試合中に鼻を骨折しながら戦い抜いたダヴィジ・ルイスだった。
試合終了直前にネイマールがあえて1対2の数的不利を作り出し、左サイドを個の力で破り、ジョーによる2点目をお膳立て。
“ネイマールコール”一色の場内は王国の2勝目を祝ったものの、攻撃陣のネイマール依存度が浮き彫りになったメキシコ戦だった。
試合後の会見で語ったスコラーリ監督の言葉が、今後のブラジル代表の課題となる。「もし我々が欧州のチームと同様の戦術を持てたら、我々はどこにも引けを取らない」
グループリーグ首位突破を賭けた22日のイタリア戦は、現状のカナリア軍団の完成度を測る絶好の試金石となる。
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