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【イタリア視点で日本戦を分析】完璧に崩された右サイド。戦術でも上回ったザックジャパン

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ベルゴミが分析する日本の課題

「最初の25分間、われわれは何をしていいのか分からずにいた」というプランデッリ監督は、結局右サイドの修正から入る。まずはジョビンコをサイドに張らせて牽制。ただその後、マッジョが1対1で香川に翻弄されるシーンも増え、結局またそこも交代。

 日本がアグレッシブに闘い、真っ向からの攻撃で強豪のプランを崩したことは、確かな収穫だろう。「技術でも、戦術の上でも、日本は凄く良かった」。筆者が話をきく前に、何人ものイタリア人記者がそう話しかけた。

 一方イタリア側から見て、そんな日本の課題とは何か。日本を褒めた記者たちは、一様に「90分間で集中力が途切れ、インテンシティが持続しない時間があるのがもったいない」と言う。

 1人の記者はもう少し辛口に「素晴らしかったが、逆に言えばこれだけの試合内容をしているチームが、たかだか12分の間に3点取られるなんてあり得ない」とまで言っていた。

 その4点を取られた守備について、折角なのでベルゴミに評価を聞いてみた。彼は巧く機能している部分と、課題とを明確に分けて説明してくれた。

「ディフェンスは、悪くはない。良いGKがいるし、SBは両方とも攻撃に上下動をこなすだけではなく、絞ってダイアゴナルの守備もしっかりとやる。その辺りは監督の戦術的指導が垣間見える部分で、またラインのコントロールも良い。

 ただ、あとは個人の力量だ。特にCBがね。バロテッリのような屈強でスピードのあるFWを相手にするのは大変だし、実際良くはやっていたんだが、やっぱり上達する必要がある。2点目で吉田が中途半端に予測して飛び出したあのプレイは、不用意にしても度が過ぎる。ただ繰り返すが、ブロックとしては機能していると思う。あと(長谷部の)PKは存在しないものだ。故意なハンドではないからね」

「精度の部分が足りないが、こういう闘い方をすれば強豪ともやれると自信をもっていいと思う」と長友は語っていた。手応えを出た一方、課題もクリーンな形で出た。それこそが、コンフェデ参加の意味。1年後のW杯を考えれば、日本としては大きな収穫があったはずだ。

【了】

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