ザックは師と言うべき存在
――コンフェデ第2戦はザッケローニ率いる日本代表との対戦にイタリアは臨むわけですが、他国を率いる“同胞”と相見えるということで、やはり監督ご自身も特別な感情を抱くのではないでしょうか?
「もちろん。私だけでなく、多くのイタリア人指揮官にとってザッケローニという監督は実に多くのことを教えてくれた大先輩、いやむしろ師とも言うべき存在だからね。もっとも、そのザックよりも遥かに豊富な経験を誇るトラップ(ジョバンニ・トラパットーニ=現アイルランド代表監督)とも戦ったことがあるのだから、それなりの準備は出来ているつもりでいるんだが。
とにかく、ザックとは事実上イタリアで初めて“DF3枚”を実践しただけでなく、それを見事に成功させては、一地方クラブに過ぎなかったウディネーゼを国内3位にまで導くという偉業を遂げ、さらにはミランでスクデットを獲ってみせた監督だ。
加えて、その一連のキャリアの中で彼は、とりわけ両サイド(ウイング)というポジションに新たな概念を持ち込んでは、実に素晴らしいサッカーを見せてきた。
そして、その監督が率いるのが現在の日本代表。アジアを牽引するチームとなった日本は、ここ20年で最も大きな成長を遂げてみせた国であって、その成長の度合いは必ずやザックによってさらに高められていくだろう。
もちろん、そこに欠かせない選手個々の成長もまた著しい。もはや香川と本田は“世界レベル”の選手として誰もが認めるところだし、“我々の(イタリアでプレーする選手、の意)長友”は言うまでもなく。
右SBの内田もまた実に素晴らしい選手だ。したがって、今回の対戦で我々は日本代表に対して最大限の敬意を払うのはもちろん、細心の注意を払う必要がある。あの老獪なザックのことだ、何らかの“罠”を彼が用意していることは間違いない」