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盤石のサッカーでメキシコを下したイタリア。堅い守備を日本はどう崩すべきか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

守備を再整備したアズーリ。日本はどう攻めるべきか?

 もう一つ特筆すべきは、イタリアは守備の再整備にも成功していたということ。全体のコンパクトネスはしっかりと保たれ、マルキージオやジャッケリーニがしっかりプレスを掛けてパスを限定し、中央にパスを通さない。

 仮にドス・サントスやチチャリートにボールが流れてきても、CBとボランチ勢が直ぐさま収縮しカバーするメカニズムが仕上がっていた。2CBとしては守備に粗のあるボヌッチを切り、スピードとパワーのあるキエッリーニにカバーを任せた意味もここにあるのだろう。

 また、その代わりに左SBで出場したデ・シリオも堅実な守備を見せていた。今季ミランでチャンスをつかんだ20歳だが、この大会を通して国際的な知名度を上げる事にもなりそうだ。一方、そのミランでも先輩のアバーテは若干守備では不安定な模様。左サイドの攻撃を得意とする日本は、やはりここから活路を見出すのが得策だろう。

 シュート数では10対14と、さほど差がなかったメキシコだが、チームとして得意な闘い方をさせてもらえなかった印象が強い。「 ボールを保持する相手に対し、引いてスペースを閉めて、カウンターを狙ったことも想定通り」とデ・ラ・トーレ監督は言ったが、その分前方のプレスも圧力が弱まり、ピルロらを自由にプレイさせてしまっていた。

 ジャッケリーニやマルキージオのプレス、またバロテッリの存在感が影響し、DFラインのビルドアップが乱されたことも痛かった。前線のタレントがいい形で前を向けるよう、組み立て方を再構築する必要がありそうである。

【了】

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