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日本代表が世界で通用しないと決めつけるのは早計だ――。無視できない悪条件とは?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

名波浩が語る悪条件でパスを回る難しさ

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マルセロ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 開幕戦の行われたナショナル・スタジアムは来年のワールドカップに向けて新たに作られたスタジアムだ。「作られた」と書いたが実際は「作られている」というべきだろう。テレビに映らないバックヤードは、コンクリートやケーブルがむき出しになっていた。

 試合が行われるピッチもスタジアムと同様に完成とは程遠い状態だった。芝生がところどころめくれていて、試合が進むにつれて土の茶色い部分が増えていく有様。カメラマンに芝生をアップで撮った写真を見せてもらうと、明らかな段差ができていることが確認できた。

 もちろん、そんな状態でもプレーできるのが世界に通用する選手だという意見もあるかもしれない。実際にブラジルの選手たちは日本の選手ほどはピッチ状態に左右されずに技術を発揮していた。とはいえ、アウエーの試合で劣悪な芝生にアジャストするのは簡単ではない。

 昨年、サッカー批評第59号で名波浩氏にインタビューをしたときのこと。テーマはフランスとブラジルと戦ったヨーロッパ遠征について。日本はサンドニでフランスに1-0で歴史的勝利を挙げたものの、ほとんどボールを持つことができず防戦一方になった。どうすればボールを回せたのか? と話を振ると名波氏は「サンドニだったら回せなくても仕方ない」と答えた。

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