ピッチレベルで見るとわかる劣悪な芝の状態
コンフェデレーションズカップの開幕戦、日本はブラジルに0-3で敗れた。まさしく完敗。日本代表が敵地でこのような敗戦をしたとき、頻繁に引き合いに出されるのが「サンドニの悲劇」だ。
今から約12年前の2001年、トルシエジャパンが世界王者だったフランス代表に0-5で大敗した試合。“ジダンとその仲間たち”に華麗に蹂躙された試合は、日本のサッカーファンにとって忘れたくても忘れられない負の記憶である。
あの試合と同じように日本は早々と先制を許し、その後もボールを回され続け、ほとんど何もできずに敗れた。これまで積み上げてきた自信を失いかねないような、ショッキングな敗戦だった。
今野泰幸が「ポジティブな面はあまりない」と語ったように、試合後のミックスゾーンはまるでお通夜のような暗い雰囲気が漂っていた。このままではワールドカップは危ない――。ピッチで戦っている選手も、試合を見ている人も、誰もがそう感じただろう。
しかし、試合を「上」からではなく「横」から見ると別の側面が浮かび上がってくる。試合終了後、カメラマンと感想を交換したときのことだ。彼らは開口一番に語ったのは「ピッチ状態は相当ひどかった」ということ。
確かにトラップ技術に定評のある内田篤人が足下に来たパスに触れなかったり、長友佑都からのパスを今野泰幸がクリアし損ねてコーナーキックにしてしまったりといった、普段であれば“ありえないミス”が何度も見られた。
ブラジルのプレッシャーが速かったのはもちろんだが、ピッチレベルで撮影しているカメラマンの話を聞くとピッチ状態が大いに関係していたのは間違いない。