【前編はこちらから】 | 【後編はこちらから】 | 【サッカー批評issue55】掲載
地域密着をしながら世界を目指す意義
広瀬「実は過去に日産のアジア戦略にマリノスのアジア戦略を絡めていきませんかっていう、提案をしたことがあるんですよ」
村林「それはいいんじゃないんですか。スポンサーとしてはすごくいいよ」
池田「世界戦略をしているホンダやトヨタが、自分のチームを使って世界戦略を進めていく。そうすると、当然親善試合も含めていろんなことができます。グローバル企業が地域密着という理念の範囲内でいろんな展開をする、これは積極的に行っていいことだと思います。
一方、新潟のような地域密着のクラブだとそれはあり得ないのかというと、私はあると、絶対あると言いたい。 僕ら地方都市のクラブとしては、J2とJ1を行ったり来たりするだけじゃなくて、ナンバーワンのクラブになりたいという願望があります。それは新潟を世界に発信することだと思っています。そのときに、戦略が見えてくる。だから事業規模がある程度あって戦略を明確に立てれば、グローバルなクラブとして存在して、それはまたどんどん最大化できると思います」
広瀬「どうですか、今のご意見」
村林「いや、何の異論もないですね。僕は最初から世界というのにすごい興味を持っているので、新潟のシンガポール戦略に関しては本当に素晴らしいと思っています。ただ、自分がFC東京にいる間、あまりそのことを口に出さなかったのは、そうは言っても今の足元が大事なので、その足元のことをきちんとやらない限り次へは行けないからです。今FC東京がアジアに向かうのは、僕は戦略上ないと思っています。すべきでないと思っていたから、しませんでした」