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Jリーグ 11年前

【鼎談】池田弘(アルビレックス新潟会長)×村林裕(前FC東京社長)×広瀬一郎 『クラブ経営のあり方とJリーグの未来』(前編)

節目となる20シーズン目を迎えるJリーグ。未来に向かうためには、これまでの20年間と今のクラブ経営、リーグ運営を検証する必要がある。かつてJリーグ経営諮問委員会委員を務めた広瀬一郎氏、前FC東京社長・村林裕氏、アルビレックス新潟会長・池田弘氏を招き、Jリーグの課題と展望を探った。

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka , editorial staff

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プロフィール

広瀬一郎
1955年生まれ。電通にてW杯やトヨタ・カップなどスポーツイベントを多数プロデュース。1999年から4年間Jリーグ経営諮問委員会員を務める。その後、(株)スポーツ・ナビゲーションを設立。02年に退社し、04年にはスポーツ総合研究所を設立して所長に就任。現多摩大学教授。

村林裕
1953年生まれ。慶應義塾大学卒業後の1976年、東京ガス入社。1997年にJリーグクラブ設立準備事務局長に就任し、FC東京設立に尽力。2008~2011年まで同クラブの代表取締役社長を務める。現慶應義塾大学教授。

池田弘
1949年生まれ。愛宕神社宮司。1977年、NGS新潟総合学院を設立し、理事長に就任。1996 年からはアルビレックス新潟の代表取締役を務め、2005年からは同クラブの会長に就任。著書に『神主さんがなぜプロサッカーチームを経営するのか』(東洋経済新報社)などがある。

新潟的と東京的それぞれのクラブビジネス

――Jリーグが20回目のシーズンを迎えて、クラブライセンス制度も今季から始まります。よりシビアに、新しいJリーグのビジネスを考えていかなければならないと思います。今後どうやっていけば良いのか、というところを中心にお話いただければと思います。

広瀬一郎(以下、広瀬)「池田さんが会長を務められているアルビレックス新潟は、親会社がないクラブ。村林さんが社長を務められていたFC東京は、東京ガスという大会社がバックについておられる。今のJクラブは、大会社あるいは親会社がついているクラブと、そうではないクラブ、多分この2つの類型化ができると思います。それだけでも経営の形態がだいぶ違うでしょう。そのフレームにご不満はありますか?」

池田弘(以下、池田)「だいぶ不満ですよね」

広瀬「すいません(笑)」

村林裕(以下、村林)「僕に言わせれば、新潟的は新潟のみ、東京的も東京のみ。相当オリジナリティ高いよ、この2つは」

広瀬「仰るとおりです。ただ、岐阜や熊本などの地方クラブを見た場合、『FC東京的』は難しくても、もしかしたら新潟的にはいけるかもしれない。クラブの進むべき道として。そこでまず、池田さんにこれまでのクラブ立ち上げからのサッカービジネスとこの先に進むべき道をお伺いできれば」

池田「はじめは、先に作られたクラブのように大企業にスポンサーになってもらえればいいな、と考えていたんです。ただ、なかなかうまくいかない。今考えると得体の知れない田舎のチームでしたから。そこで、仙台や札幌を見ると、地域のみなさんでお金を集めてなんとかやろうという形でした。じゃあ新潟もその方法でチャレンジしようと思って、地域のみなさんに声をかけて始めました。

 ところが、最初は地域リーグからスタートしたんですが、人は来ないし、入場料もあまり取れない。鹿島さんはあんなに盛り上がっているのになんだこりゃと。その当時うちのチームには3000人ほどのお客さんが来てくれていました。今よりはずっと少ないですが、熱い思いを持っていた方々でした。

 その思いを全域に広める、そしてチームとの関係性を持たせる仕組みを作っていくことを考えました。ヨーロッパのような100年の歴史もない、大スポンサーもいない。だったら積み重ねてオラがチームを育てていくしかない。地域密着をできるように盛り上がるための縁を作ってやっていくしかないな、と」

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