ブラジルにあって日本にないもの
打倒ブラジルを果たすために何をするべきか。16日の早朝に行われるブラジル戦のポイントを絞っておきたい。
ザックジャパンは前回と同様に真っ向勝負で臨むようだ。真っ向勝負というのは、自分たちがやってきたサッカーを貫いて、ブラジルにぶつけるということである。
ザックジャパンにおける「自分たちのサッカー」という特徴を大きく3つに分けると、(1)最終ラインからパスをつなぐビルドアップ、(2)ショートパスとポジションチェンジを織り交ぜたパスワーク、(3)高い位置からの組織的なプレッシングになる。
これらをブラジルにぶつけた結果が0-4の敗戦につながった。ブラジルが行ってきたのは、守備ラインを低めに設定しておきながら、前線にネイマールやカカなどのスピードのある選手を“攻め残り”させて、自陣ゴール前で奪ってから一気に前線に展開するロングカウンター。
日本はボールを保持しながらプレーしていて、相手陣内に人数をかけて攻め込んだ状態になっているので自陣にはセンターバック+サイドバック1人ぐらいしか残っていない。前線にボールを入れて起点を作ったところに、後方からボランチが長い距離を走って上がってきて、雪崩のようにフィニッシュに持ち込む。
ブラジルにあって日本になかったもの。それは「緩急」だ。日本が常に同じテンポでボールを回し続けていたのに対して、ブラジルは守備のときはじっと構えて日本の攻撃を耐えて、ボールを奪った瞬間に一気にスイッチを入れてきた。タレントが小粒になったともいわれるが、11人全員がサッカーの勝ち方を知っているブラジルに勝つのは簡単ではない。