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【直前プレビュー】ブラジル戦勝利への道筋は? カギを握る香川・本田ら攻撃陣の連動性

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ジョーカーとして期待したい乾

 ただ、こうした連動性のある攻撃は結局、動き出しとパスの高い精度が求められる。過去の2試合、さらにさかのぼるブルガリア戦でも、日本の攻撃陣がなかなかトップスピードで出し手と受け手の呼吸、さらにはパスやトラップの精度が合わず、CBにクリアされ、シュートを打っても枠を大きく外してしまった。

 完全アウェーの雰囲気ではあるが、幸いピッチ状態は良さそうで、日本のスモールエリアでのスピーディな攻撃は活かしやすい。とにかくワールドクラスのCBコンビを正面突破しようとしたら、メッシやクリスティアーノ・ロナウドでも厳しい。

 時にはサイドからのクロスなどもバリエーションとして使いたいが、結局は2列目の選手がスモールエリアでどれだけ瞬間的な数的優位を作り、相手CBを困らせられるかが勝負のカギを握る。

 もちろん、攻撃的な相手の両SBが前に出てきたところで、うまくボールを奪えればカウンターのチャンスは生まれやすい。「ボールを取ってから出て行くところで負けなければ、CBと1対1になり、そこで自分が仕掛けたり、前の選手がフリーにという場面は出てくる」と語るのは乾だ。

 特に彼の起用が期待される終盤まで接戦となれば、ブラジルは多少の間延びを覚悟で攻撃にパワーを割いてくるため、逆に日本にも得点チャンスは出てくる。ただ、そうした時間帯で完全に後手に回ってしまうと、マイボールになっても鋭い攻撃を繰り出せない。守備の局面でも耐えるところ、隙を突いてカウンターを狙うところを見極めたい。

 相手はブラジルという願ってもない相手だが、何といっても大会の開幕戦だ。試合全体としては、先ず相手に気持ちで圧倒されないことが大事だが、接戦の流れに持ち込んだ先で、いかにチームとして的確な状況判断をできるかが問われる。

【了】

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