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ブラジル戦プレイバック 日本代表の守備はなぜ崩壊したのか?(後編)

text by 鈴木康浩

ブラジル戦対策として

「ブラジルを調子に乗せれば厄介ということ。だからまずは0-0でゲームを進める。もちろん攻撃をするのはいいんです。ブラジル戦の序盤の攻撃はバルサのようで本当に素晴らしかった。ああやって相手を揺さぶりながら、今後はカウンターを受けないような質の高いポゼッションプレーを志向する。

 そのときに勝負のパスを入れる局面は絶対にあるのだから、それでボールを失って守備に切り替わった瞬間は、11人全員が一生懸命に全力で守備をやるということです。

 それは日本が今すぐできることですよ。本田だってブラジル戦でやっていたわけじゃないですか。その守備意識さえあればブラジル戦の先制点も自分たちの力で防ぐことができた。

 サッカーは点が入るか入らないかでその後の展開が大きく変わってしまうもの。今は10回やって5回以上勝つのは難しいと思いますけど、やりようによってはブラジルにだって勝つ可能性はあるわけです。日本サッカーは良い方向に進んでいると思うし、ブラジル戦の大敗も悲観すべきではないと思いますよ」

 日本代表の強みは、今や細かいパスワークに代表されるコレクティブな攻撃と連動した守備だ。そのいずれかを放棄すれば世界のトップとは渡り合えない。徹底的に攻めるならば、徹底的に守ること。ブラジル戦で見えた収穫と課題がまさにそこにある。

【了】

初出:サッカー批評issue59

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