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ブラジル戦プレイバック 日本代表の守備はなぜ崩壊したのか?(後編)

text by 鈴木康浩

ゾーンディフェンスとして問題のある場面

 そして無情にも次のゴールがブラジルに生まれる。23分過ぎ、今野がペナルティエリア内でハンドを犯す。松田監督も「厳しい判定」と見るPKを献上してネイマールに決められた。

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アドリアーノ(2)を囲うが奪えずカカ(8)がフリーに。その後、パウリーニョがスペースへボールを出し、左サイドが崩される。今野はフッキに付いていたが、赤い円のエリアをケアしてカカを止める方法もあった(今野のポジションに連動して、吉田はフッキを、内田はネイマールを視野に入れながらスライドする)。

 このシーン、日本のDFやMFはしっかり帰陣していたが、防ぎようはなかったのか。映像を巻き戻したのが図23分38秒だ。

 相手の攻撃は日本のプレッシングに対して苦し紛れにロングボールを蹴ったGKのキックからスタートしている。それをセンターライン付近でアドリアーノ(2)がトラップ。そこに長友、遠藤、中村で囲い込みに行くが奪い切れず。アドリアーノはパウリーニョに落とし、ダイレクトでカカへ。カカは一気にスピードアップする。

「この対応は難しいけれど」と前置きした上で松田監督が指摘する。

「あえて言うとすれば、今野がフッキ(20)とカカの両方を見られるポジションをとることです。それでカカの足止めをすること。もちろん相手の能力が素晴らしければ難しいし、この場面では長友も一生懸命帰っているからほぼ問題はありませんが、このときの今野はフッキにマンツーマン気味に対応している」

 同じようにDFが相手にマンツーマン気味についてしまい、ゾーンディフェンスとして問題のある場面がブラジル戦は何回かあった。

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