日本はスタイルを変えるべきか?
――日本代表の場合、アジアではしっかりボールをつないで攻める「強者のスタイル」でプレーすることが多いわけですが、国際舞台ではなかなかそうはいきません。ブラジル、イタリア、メキシコという強豪ばかりと対戦するコンフェデで、日本代表はどこまでプレースタイルを変えるべきだと思いますか?
「世界の強豪国は例外なく、独自のプレースタイルを持っている。それはすでにその国のアイデンティティとなっており、対戦相手によって多少の調整はしても、基本的にはそのスタイルを貫く。
日本代表にも、すでに固有のプレースタイルがある。それは、スピードと豊富な運動量で数的優位を作り、監督が選んだ戦術を完璧に遂行して、体格と身体能力のハンディをカバーするというものだ。そのやり方で、2010年W杯でアフリカのカメルーン、欧州のデンマークといった強豪国を倒した。
もちろん相手が強くなれば、より守備に重点を置く戦い方を強いられることになるだろう。しかし、だからといって日本のスタイルを崩す必要はない。人数をかけて献身的に守り、ボールを奪ったら今度は勇敢に攻め上がり、フィニッシュまでもってゆく。それができれば、強豪国を苦しめることは十分に可能だ」
――ブラジル代表は、昨年10月にイラク代表、日本代表に大勝するなどプレー内容が上向いていたにもかかわらず、監督が代わりました。このことをどう見ていますか?
「マノ・メネゼスが解任されたのは、CBF(ブラジル・フットボール協会)内部の政治的な理由によるものだ。彼がブラジル代表監督として最適任者だったとは思わないが、昨年後半になってようやくチーム戦術とメンバーが固まり、チームが上昇気流に乗ったところでの解任は不可解だった。
しかし、ルイス・フェリッペ・スコラーリ(監督)とカルロス・アウベルト・パレイラ(コーチ)の手腕には疑問の余地がない。この二人を選んだことは正しいと思う」