攻守両面で得た大きな収穫
後半8分にハーフライン付近でルイス・グスターヴォが奪取したボールを受けたフレッジが左サイドからオスカールの先制点をお膳立て。2月のスコラーリ体制初戦からフランス戦までに計15得点を奪っている。
ブラジルがカウンターからの鋭い速攻で奪ったのはイングランド戦の1点を含めて、ようやく2点目だ。
試合を決定づけた後半39分の2点目も、エルナーネスの投入により、前目にポジションを取っていたパウリーニョがカウンターを牽引した流れで生まれたものだった。
フランス相手に奪った3得点もさることながら、コンフェデ杯に向けて得た大きな収穫が守備面の安定だ。就任以来、ボリビア戦を除けば全ての試合で失点してきたブラジルだが、この日は欧州の強豪相手では初の完封。
3点目につながるPK奪取を含めて、左サイドバックはマルセロが、右サイドバックはダニエウ・アウベスが日本戦でもピッチに立つだろう。
流動的だったボランチもルイス・グスターヴォとパウリーニョの2ボランチが有力だが、こちらはサイドバックの攻め上がりをケアするリスクマネージメントを意識したものだ。
一方で、フランス戦ではよりオフェンシブなオプションも志向された。エルナーネスを攻撃に専念させる一方で、ダンテを最終ラインに投入し、ダヴィジ・ルイスをアンカー的に起用。
「ダヴィジ・ルイスをボランチ起用する考えはないが、試合の流れ次第では彼はDFラインを防御してくれる」とスコラーリ監督は先発でのボランチ起用は否定するが、2002年の日韓大会でエジミウソンがこなした役割も戦術的な選択肢になる。
攻守において、大きな収穫を得たブラジルは、15日の開幕戦で日本を迎え撃つ。
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