三次予選の戦略は?
――話は戻るが、三次予選について聞きたい。イラク代表監督として滑り出しは良くなかった。あなたが初めて指揮をとったホームのヨルダン戦では0-2で敗れてしまった。
「(むっとした表情で)内容的には悪くなかった。ボールがポストに当たったりと運が悪かった。そして何より、引き受けたばかりでチームを把握していなかった。中心選手が内転筋に故障を抱えていた。選手を入れ替えるのにも、前の試合の起用を参考にするしかなかった。
ところが、それが正しいものじゃなかったんだ。あの試合の選手を招集したのはぼくじゃない。
中には協会関係者と親しいからという理由で入っていた選手もいた。彼らを試合で使っているうちに、誰が必要で、誰が不要か分かった。今では5人程度の選手を入れ替えている」
――ほぼ代表は固まっているんですね?
「24、25人は揃っている。怪我や出場停止の場合、五輪代表の選手を入れることになるだろう。今の悩みは、センターFWの控えだ。うちにはユニス(・マフムード、2007年アジアカップMVP、得点王)という選手がいる。彼は万能型のセンターFWだ。
イラク代表は常に、彼のワントップで、ツートップも試したことがない。こうした選手がいる場合、控えの選手を起用するのは難しい。彼も国を背負ってきたというプライドがある。控え選手を育てたいからと、代わりの選手を入れる訳にはいかない。
若くて才能ある選手がいるので、予選最終戦のどこかで使おうと思っていたら、彼は3得点をあげた。そんな選手を替えられない。試したかったんだけれどね」
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