効率性を重視するオランダサッカー
日本サッカーの強みや課題は、これまで様々な切り口から分析されてきている。サッカーを仕事にしている我々はもちろんだが、サッカーファンである皆さんも各々の考えがあるはず。それは真実かもしれないし、もしかしたらそうではないかもしれない。このような議論に終わりはないし、だからこそ面白いものである。
その終わりなき討論のテーマを、ロビン・ファンペルシーの出身アカデミーである、エクセルシオールのU-19で指導経験のある小坂献(こさか・けん、現HLPプリマ大阪柏原FC U-15監督)氏にぶつけてみた。
今回は氏の話を基に私の意見を組み立てた。オランダの育成メソッドをオランダの代名詞である4-3-3と関連づけながら、あくまでフラットに「差」ではなく「違い」として、比較しながら日本サッカーの特徴分析にも触れていきたい。
氏曰く、オランダの育成年代は、ほとんどのチームが4-3-3のシステムを取る。そしてそのサッカーには、ポジションチェンジが少ないという。各ポジションに明確なプレイエリアと役割を与えて、リスクマネジメントを徹底しながら効率的に得点を取ろうとする傾向にあるそうだ。
このように攻守共に効率性を重視するサッカーは、小国が世界と対等に戦おうとする上で培っていかれたロジカルな思考傾向が強くでている、オランダらしい特徴と言える。守り方もシンプルで、対面の相手へのマンマークを基本とする。
SB(サイドバック)はWG(ウイング)につくし、CH(センターハーフ)はCHにつく。CB(センターバック)2人だけ相手FWに対して+1の状況で守る手法を取るようだ。
ではまず、この「+1」の状況がCBにどういう影響をもたらすかについて、分析していこう。