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日本代表 11年前

元日本代表・名良橋晃が徹底解析 長友佑都、内田篤人、酒井宏樹…… 日本のサイドバックは世界を制するか?

text by 飯尾篤史 photo by Asuka Kudo

 3季目を迎えたインテルで、自信に満ちたプレーを披露している長友には、世界最高のSBになる可能性が十分ある、と名良橋は見ている。

「インテルでは一昨季、ディフェンスラインを合わせられなかったり、合わせようとして相手をフリーにしてしまう場面もありましたが、今季はそれも克服し、逆に周りをリードしているように見えます。僕は、ラームやスニガ、マッジョ、M・フェルナンデスら、世界屈指のSBに並ぶと思います。課題を強いて挙げれば、カットインしてからのシュートやラストパスの精度が少し低いこと。それが高まれば、言うことなしです」

内田篤人のストロングポイント

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数手先を読んだプレーができる内田篤人【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 攻守両面での1対1の強さが長友の魅力なら、内田のストロングポイントはコンビネーションの中で味方を生かす上手さと賢さにある、と名良橋は指摘する。

「シャルケの試合を見ていると、篤人の良さがよく分かります。例えば、先日のアーセナル戦、ファルファンとのコンビで左SBのアンドレ・サントスを完全に攻略していた。ファルファンは自分で打開したいタイプ。篤人が先に行ってしまうと、ファルファンのスペースを消しかねない。だから、サポートしながら、ファルファンが中に入ったから出て行く。そうしたメリハリの付け方が巧みで、前の選手の選択肢を増やせるSBです」

 こうした判断力やインテリジェンスは、ビルドアップの際も感じられるという。

「篤人は賢くて、3つくらい先を読んでいる。ボールの置き場所も工夫しているし、遠くも近くも見えていて、攻撃の起点にもなれる。ただ、3つくらい先を読めるから逆に迷ってしまい、判断がたまに遅れるのが課題です。でも、岡崎と清武のような異なるタイプと『生かし、生かされ』の関係を築けるのは、篤人の強みでしょう」

 フランス戦で、その内田を差し置いてスタメンに抜擢されたのが酒井宏だった。

 その理由は、フィジカルの強さや183センチという長身にあったのではなかったか、と名良橋は推察する。

「相手のフランスは長身揃いだし、身体能力も高いから、酒井宏が選ばれたのでは? 篤人は直前のCLで良いプレーを見せていたんですけど、日本の守備陣には、今野と長友、180センチ未満の選手がふたりもいる。ザッケローニ監督はそれが気になったんじゃないですか」

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