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日本代表 11年前

高橋秀人は本当に“代表病”なのか? ポポヴィッチ監督が語る代表とクラブの理想的な関係

text by 後藤勝 photo by Asuka Kudo

「いい循環をめざしたい」

 権田と高橋以外にも十分な力を持っている選手がいる。彼らもどんどん代表に選ばれるように、彼らの力を引き出すトレーニングをやっていきたい、とポポヴィッチ監督は言った。

 代表に選手を抜かれることが痛手だと思わないはずはないのだが、ポポヴィッチ監督は選手とチームが手を携えて「代表病」を克服することが互いの成長につながると考えているフシがある。

「成熟した、完成したチームをつくるには必要なプロセスだと思います。何人かの選手が抜けたら大崩れするのではなく、抜けたとしても同じレベルで戦えるチームをつくっていくことが私の理想、めざしているところですから。

 より多くの選手が代表に呼ばれることによって、自分もやるべきことをやれば代表入りもあるのだとウチの選手のモチベーションも高くなりますし、代表選手が不在のときには、自分たちの(クラブでの)出場のチャンスだと意気込んで結果を残す、そしていい競争をしていくという、いい循環が生まれると思います。そういうチームにしていきたいと思っています」(ポポヴィッチ監督)

 高橋が代表病かどうかを断定することは難しいが、代表とクラブの往復のなかで考え、自分を変えていこうとする姿勢をそう呼ぶのならばそれでもいい。少なくとも代表病であることは、高橋本人と、ポポヴィッチ監督の考える東京の未来にとっては、ひとつのプロセスにすぎない。

【了】

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