ポポヴィッチ監督の見解

　悩みを抱えた状態が代表病と言えばそうなのかもしれないが、病気であるからには治すことができるし、代表とクラブを往復する日々のなかから、前述のように高橋は課題を克服して壁を乗り越えようとしている。

　なんとなれば「ミスをしたときでも声を出せるようにならないといけない」とまで言っている。自分が成長するために「闘将」になるべきだと考えているのだ。それはもう、代表という狭い基準ではなく、サッカー選手として自分を見つめた結果だろう。

　高橋を間近でつぶさにみてきたランコ・ポポヴィッチ監督に、高橋には代表の疲れがあるのではないかとの指摘があると伝えた。ポポヴィッチ監督はそれをきちんと「代表病」の文脈で理解したうえで、次のように答えた。

「彼の環境がめまぐるしく変わったことは間違いない。そういった環境でやっていくことは簡単ではないでしょうけれど、それが原因で調子に波があるとは、一概には言いきれないと思います。

　私は彼に関してそれほど気にしていません。また彼本来のプレーを見せてくれる日も近いと感じています。日本代表でプレーするのであっても、FC東京でプレーするのであっても、同じモチベーションでプレーすることが彼にとっては一番必要です。

　まず、クラブでの活躍があるからこそ、代表に選ばれる。それをいち早く理解してほしいと思います。彼は賢いから理解していると思うのですけれど、代表に定着しようと思ったら、そこを忘れてはいけない」