実は定義のない言葉
インテンシティとは、単純な辞書的な訳をすれば『強烈さ、激しさ、強度』などである。しかし、こうした辞書的定義が現場でそのまま使われているとは限らない。坪井氏いわく、インテンシティという単語は「スペインの現場でも、話し手によって違う定義がある」ということだ(本筋には全く関係ないが、intensity 5 upperで『震度5強』という意味にもなる)。
例えば、坪井氏はTwitter上で「自分の中でインテンシティが高い選手の一人、遠藤選手。戦術的インテンシティはかなり高い。フィジカルは低いけど」というコメントを残している(参照)。インテンシティという言葉を『強烈さ』と代入してみたら、「自分の中で強烈さが高い選手の一人、遠藤選手。戦術的強烈さはかなり高い」となる。ハッキリ言って、意味がわからない。
つまり、インテンシティという言葉は「強烈さ」「激しさ」「強度」だけでは足りないということだ。詳細は後日インタビュー形式でどこかで発表するとして、ここでは「インテンシティという単語には、少なくともスペインでは確固たる定義が定まっていないのだ」ということを述べておきたい。おそらく、その事実さえ伝わっていないのが現状だと思う。
坪井氏によると、スペインにおけるインテンシティという言葉の使われ方はこういったものであるようだ。
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