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日本代表 11年前

豪州戦で見えたW杯までの成長曲線――。本田の決定力向上に日本代表の未来がある

text by 西部謙司 photo by Asuka Kudo

W杯までに克服したい課題とは?

 ただし、プレスをかわされたときは危ない。途中から危ないときには時間をかせいでオーストラリアの攻撃を遅らせていた。少し遅らせてしまえば、オーストラリアにはパスを何本もつないで崩す力はないので安全だった。プレスとリトリートの切り替えの基準が試合中にはっきりしてきた。

 課題は何といっても決定力だ。主導権を握りチャンスも数多く作っているのに、結局得点はPKのみ。一朝一夕に克服できるものではないが、このままではいいプレーをしても強豪国には勝てない善戦どまりのチームになってしまう。

 手っ取り早い解決方法は本田のシュート決定率を上げることだ。オーストラリア戦で本田が放ったシュートは両チーム最多の7本、2番目が香川の3本だった。たいていの試合で本田は最も多くのシュートを打っているから、本田個人の決定力が上がればチームの決定力も上げられる。もちろん全体のシュート力を上げていくのが理想だが。

 ベストメンバーの成長も続いているとはいえ、完成度の高さは伸びしろの少なさを意味する。新しい戦力を入れてスケールアップへの可能性を探りたい。また、オプションとしての3-4-3は良くなりつつあるが、まだ実戦投入にはぎりぎりという印象しかない。

 2つ以上のシステムを手の内に入れておくのはW杯を戦ううえで重要だとは思うが、進展に時間がかかっているうえに、それが本当に3-4-3なのかも疑問が残るところだ。

 コンフェデレーションズカップではブラジル、イタリア、メキシコの強豪相手の試合が続くので、そこで代表史上最強チームの世界での位置づけがある程度わかるだろう。

【了】

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