酒井高徳はハイレベルな両SBに割って入れるか?
オーストラリア戦でPKを決めた本田と共に、強烈な存在感を出していたのが長友だった。「チームとして本当に気持ちが入っていた」と語る彼はブルガリア戦の悔しさを払しょくする走りで絶え間なく攻撃に参加。
その一方で前半30分には相手のカウンターを懸命なカバーリングで阻止するなど、守備でも奮闘した。そうしたプレーを目の当たりにして「やっぱり前に行く姿勢はすごい」と驚嘆したのは同じSBを本職とする酒井高徳だ。
「簡単にボールを下げようとはしないし、前の意識で相手を押し込みながら、かといって守備が疎かになってるかって言ったらなってない。本人も今日はきつかったと言っていたんですけど、全然そんなことなかったと思う」
内田と長友の両SBに関して改めてレベルの高さを感じたという酒井高徳。「まだまだ2人にはかなわない」と語るが、来年のW杯までレギュラーポジションを彼らに任せておく気は毛頭ない様だ。
「ドイツでもそうですけど、上に挑戦して、自分の課題や伸ばさないところいけないところで常に上がってというのが今までの自分だったので。こういう悔しい思い、じゃあ2人を押しのけて試合に出るには何が必要なのか。代表でも、ドイツに帰ってからもやっていくことが大事」
そうした競争意識はオーストラリア戦で23人に選ばれながら出場機会の無かった選手、さらには初招集されたものの、ベンチ入りを逃した工藤や東も少なからず抱いているはず。さらにはJリーグで結果を残しながら現時点では呼ばれていない選手、しばらく代表を外れている選手たちもしかりだ。
開催国のブラジルをのぞき、最速でW杯出場を決めた日本代表だが、ここからの長い様で短い1年間をどう過ごし、本大会を迎えるのか。そしてその時、どういう選手たちが23人の登録枠、そしてレギュラーポジションを掴んでいるのか。チームとして、選手として、あくなき向上心を持って強化していく先にこそ、ブラジルでの栄光はあるはずだ。
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