さらに激しくなるポジション争い
後半ロスタイムに本田がPKを決め、豪州と1-1で引分け。苦しみながらも日本代表は5大会連続となるW杯出場を決めた。
その喜びもつかの間、ザッケローニ監督は記者会見で「チーム全体が向上心を持って、成長していかなければならない。よりクオリティを高めるために力のある選手を連れてくること、チームとしてのスピードを高めること、オプションを作ることも成長につながる」と来年のW杯に向けたチーム作りの意気込みを公言した。
「予選に出ても、W杯に出ないとあんまり意味がないので。また1年ありますし、せっかく出られるチャンスがあるんで、しっかり成長したい」と語ったのは内田だ。彼の鹿島時代の先輩である岩政は5月3日に行われた横浜Fマリノス戦の試合後、こう語っている。
「W杯出場が決まってくれれば、また競争ですから」
日本代表はここから、休む間もなく中東に飛んで、11日にはアジア最終予選のイラク戦、そして15日からはブラジルでコンフェデレーションズカップを戦う。本大会でも実現し得ない“死の組”で選手が得る経験は多いはずだが、チーム作りでよりポイントになるのはザッケローニ監督がここで何を大きな課題とするかだろう。
7月21日の中国戦で始まる東アジアカップ、そして8月14日のウルグアイ戦といったその後の試合における選手選考や起用法に大きく影響してくるからだ。
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