本物のアイデンティティとは?
――それはレアルというクラブの歴史に基づくアイデンティティですか、それともモウリーニョのアイデンティティでしょうか?
「レアルのそれだ。モウリーニョは勝利を得るために、インテルで厳格かつ実直なスタイルに適応しながらチームを構築した。チェルシーやポルトもそこは同じだった。たしかに長い間1つのクラブに留まっていれば、その間に自分のスタイルをクラブに浸透させることも可能だ。
だが私の場合、それぞれのクラブで過ごすのは2年半か長くて3年に過ぎない。だから私がクラブに適応する。
ただしここではこれまでとは違った段階を踏んだ。我々はすでに勝利を得た。だから継続していく上で、私が望むスタイルでやっていく。それが正直なところだ」
――それではもし今季CLに勝てなかったら、それはあなたの個人的な失敗になるのでしょうか?
「違う。今季が駄目なら来季に優勝する」
――レアルで、ですか?
「もちろん」
――仮に優勝したら、契約が終了する2016年以前にクラブを去ることもありますか?
「それはない。出ていくのはクビになったときだ。私は常に最後まで遵守するつもりで契約にサインする。求められるものを構築し、育成を含め私の後を継ぐ人物がベースとして頼れるような強固な基盤を築きあげたいと思っている。ここでもそのつもりで仕事をしている」
――いつかイングランドに戻りたいと言っているのは…。
「それは間違いない」
――その手のコメントをするのは、自らの将来を曖昧にしないためですか?
「別に計算づくでコメントしているわけではない。未来を予告しているのではなく、イングランドに戻りたいという気持ちの率直な表明さ。でもいずれにせよレアルとの契約が終わった後だから、最速で2016年だ」
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