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セリエA 11年前

長友の起用法、故障者問題への対応は? インテルの変革を託されたマッツァーリ監督の哲学

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

故障者続出の悪いサイクルを変えられる可能性も

 もう一つ、マッツァーリ監督の就任で変化が期待されているのはコンディショニングの面だ。インテルはすでにストラマッチョーニと共にフィジカルコーチを解任しているが、その後釜にはナポリからフィジカルコーチのジョバンニ・ポンデッリを連れてくる。

 マッツァーリがキャリア開始から全幅の信頼をおく人物で、勝ち点マイナス15のペナルティを食らった06-07シーズンのレッジーナは全試合をフルに戦い、かつ1シーズン持たせるだけの体作りを行った。

 翌シーズンのサンプ時代にはマドリードで自堕落の限りを尽くしたカッサーノのフィジカルを回復させた。ELも“回避”した今季、ポンデッリの仕事が機能すれば故障者は減るはず。

 負けず嫌いで、強烈なリーダーシップを誇る一方、対話を大事にするので選手からも人気があったマッツァーリ。ファンは長らくモウリーニョの不在を嘆いていたが、彼がその意味で頼れる存在になる可能性はある。

 ただ、ファン根性丸出しで心配性のモラッティ会長を筆頭に、インテルの複雑なクラブ事情をし切れるかどうかは未知数だ。マッツァーリを名将にするのも、前任者たちの二の舞にしてしまうのも、周囲の理解次第と言えそうである。

【了】

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