レッジーナを変えた鬼才・マッツァーリ
ナポリから、マッツァーリ監督を招聘したインテル。イタリアでも廃れてかけ、もしくはプロビンチャが守り固める際に用いるための戦術と化していた3バックを駆使し、アグレッシブに攻めながら守備のバランスも両立したチームを作り上げる鬼才である。
これまでレッジーナやサンプドリアでじっくりと実績を築き、ナポリを強豪の一角にのし上げた男が、ついにイタリアのビッグ3の一つを指揮することになった。もっとも、そのインテルは故障者続出の末に9位フィニッシュと惨憺たる状況だが、この人は逆にこういう状況でこそ闘志を燃やす。
ゴール前に引きこもり、雑にボールを蹴り出してリスクを回避するようなサッカーが是とされていたレッジーナで、「勝者のメンタリティを持ち、ゲームを組み立てることを楽しんでプレイするチームにしたい」と語り続け、実際そういうサッカーにしてしまった。
ナポリではカウンターサッカーを展開していたが、素早い攻撃の基本はあくまで、DFラインからの丁寧なビルドアップにあった。
その男のもとで、インテルはどう変わるのか。記者会見も実施されていない状況で若干時期早々ではあるが、今までの仕事ぶりからインテルの変化を予想してみたい。
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