輝けない新加入選手カシージャスとの軋轢
――コエントランの話が今出ましたが、移籍に関するあなたの失敗を語るべきときではないですか。
「全体を総括したいのであれば公正にやるべきだ。それは君にも言いたいし、会長やGMにもはっきりさせたい。ここではケディラを誰も知らなかった。
暫定的に移籍の仕事に携わっている人間(バルダーノ)は、彼がどんな選手であるのかまったくわからなかった。そんな選手と契約を結んだんだ、私の責任で。エジルに関しても名前こそ知ってはいたが、確信は持っていなかった。
だが今、彼はここにいる。ケディラは契約最後の年だったから、とても安く獲得できたし、エジルもブレーメンと契約問題がこじれていた。だから1500万ユーロで済んだんだ」
――他にもアルティントップやシャヒン、コエントランらがいます。
「アルティントップ? 彼はスポーツ面でうまくいかなかったが、収支の面では成功だった。まったくの0ユーロで契約を結べたのだから。怪我をしていたが、それは私の責任ではない。私がメディカルチェックをしたのではないのだから」
――しかしコンディションを崩しているのはわかっていました。
「だから私は検査してないと言っているだろう。そのうえ移籍させることで利益を得た。ただで放出したわけじゃない。戦力面ではうまくいかなかったが、経済的にはとてもよかったわけだ」
――それではシャヒンは?
「彼はレアルに籍はあるがリバプールにレンタルしている。つまり彼のために1ユーロも使ってはいない。リバプールがすべて負担しているからな。
まだ若いし、プレミアでプレーすることで成長するだろう。明日にでも買い手がつけば、喜んで売るさ。わかっただろう、誰の場合も間違ってはいないことを」(編注:その後、シャヒンは古巣ドルトムントへ完全移籍)
――移籍で過ちは犯していないという認識なのですね。
「過ちは誰だって犯す。チェルシーを見ろよ。ドログバはクラブ史上最高の選手だが、私がロマン(アブラモビッチ)の金を使って契約を結んだ。当時のイングランドでは、誰1人として彼を知らなかったが、あれだけの成功を収めた。
他の例をあげれば……チアゴはチェルシーでさほど活躍しなかったが、リヨンにはベンフィカに支払ったよりも高い値段で売れた。経済的側面を無視するべきじゃない。とても大事なことだ。
スポーツ面ではうまくいかなくとも、収支で利益を得られればそれでいい。ただときどきどちらもうまくいかないことがあるから、そうなるとリスキーだが…」
――あなたは自分が批判されていると思っていますが、自分自身でしばしば論争の種を蒔いています。
「それはどんな?」