【後編はこちらから】 | 【欧州サッカー批評SPECIAL ISSUE07】掲載
翻訳・構成:田村修一
レアル・マドリーという特別なクラブ
――レアルの監督に就任して2年半が経ちましたが、モウリーニョがマドリニスタになったのでしょうか。それともレアルというクラブがモウリニスタになったのでしょうか。どちらの傾向がより大きいと言えますか?
「質の高い仕事を成し遂げるためには、与えることと受け取ることの両方が必要だ。レアルは私に多くのものを与えてくれ、私も彼らに何かをもたらしたと思っている。個人的には、私はこの3年間では最高の監督だったし、レアルは最強クラブであり最高のチームだったという確信がある。
監督も選手同様に、そのキャリアにおいてこの段階でしくじってしまったら、たとえ他にどれほど大きなクラブで成功を収めても、白紙の時期を残すことになってしまう。
私はここで空白を埋めた。私がレアルに着任したとき、クラブはその伝統に見合うだけのレベルにスポーツ面で達していなかった。バルサの成功の陰に、完全に隠れていた。
しかしこの2年半というもの、そして最後の直接対決以降は、準決勝で敗れたチャンピオンズリーグ(CL)を除き、我々はすべてに勝っている。スペインではあらゆるタイトルを獲得し、失われたステイタスを回復した。今は我々がチャンピオンだ」
――レアルは特別なクラブですか?
「その歴史、他と比較のしようのない歴史において特別なクラブであり、監督や選手にとって特別なところだ。もちろんここを通過することなく、キャリアを全うする監督も選手もたくさんいる。
私自身もこれまで2度レアルのオファーを断り、3度目にようやく自分にとってどれだけ重要であるかに気がついた。自分が理想とするキャリアを実現する過程でリーガの経験が欠けていた。
他方でクラブは厳しい状況にあり、ここは経験の幅を広げるべきときだと感じた。いい結果を得られたと思うよ。私は3つのメジャーなリーグのタイトル(イングランドとイタリア、スペイン)を獲ることができた。とても満足している」