3-4-3を研究してきたブルガリア
3-4-3の是非が話題に上っている。この大事な時期の試合にザッケローニ監督がスタートからテストしたのだから、このシステムの機能性はそれで分析されてしかるべきだ。筆者も3-4-3の貴重なサンプルとして、後日改めて、この試合の前半を詳細に分析したいと考えている。
その一方で、オーストラリア戦の直前マッチとして捉えれば、昨夜のパフォーマンスはシステム云々だったのか、という疑問は残る。4-2-3-1に変更して臨んだ後半は特に、ザッケローニ監督が求める“インテンシティ”とはかけ離れた現象が見られたからだ。
日本代表の出来を問う前に、対戦相手のブルガリアが長距離移動や時差の問題を言い訳せず、しっかり戦ってきたことに敬意を表したい。
一方で、親善試合にもかかわらず日本を研究し“3-4-3対策”までしてきたことは予想外だったが、よくよく考えればブルガリアは相手の長所を消しながら、弱点を突いて自分たちの持ち味を出すチームであり、テストマッチであっても相手を良く研究するのは当然と言えば当然だ。
前半は3-4-3のテストと、チームとしてのゲーム勘を取り戻すという2つの目的が複合していたところに、そこに早い時間帯の失点が加わったことで、少なからず混乱が生じてしまった。
3-4-3のつなぎが窮屈になったのは、ブルガリアのプレスが日本の攻撃に対して良く連動していたこともあるが、3-4-3のポジションからブレイクしようとする時に、選手の位置関係にイメージのズレが生じてしまったからだ。
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