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日本代表 11年前

ブルガリア戦。未だ機能しない3-4-3、本田不在時の迫力不足も解消されず【どこよりも早い日本代表採点】

シリーズ:どこよりも早い採点 text by 植田路生 photo by Kenzaburo Matsuoka

改善されないセットプレーの守備

 守備面でも課題はある。3バックは守備時にはウイングバックが下がって4バックとなり対応するが、戻りきれていない場面が多かった。攻撃への意識が強かったこともあるが、ザックの3-4-3ではDF陣のスライドは生命線になる。ここが改善されない限りはオプションとしていくのは難しいだろう。

 前半で試した3-4-3では、4分に許した直接フリーキックのゴールを返せず、1-0で折り返した。後半は長友、酒井宏樹、清武、ハーフナーを投入し、4-2-3-1へと変更。だが、長谷部のオウンゴールで失点し、試合はそのまま終了。ホームで2-0で敗れた。

 フォーメーションとは直接の関係はないが、セットプレーでの失点癖も解消されなかった。前半4分のフリーキックはブレ球で正確にゴールマウスをとらえたマレノフの技術が高かったとも言えるが、防ぐ術はあったはずだ。

 あの距離は十分シュートレンジ。壁が3枚ではプレッシャーなく打つことができる。GKの川島が危険を察知し、壁を調整する必要があった。また少ない枚数でいいのであれば、川島は止めなくてはならない。難しい軌道だがコースは厳しくない。チェフやブッフォンであれば防げていた。

 また、後半25分の長谷部のオウンゴールは、彼だけでなく全体の集中力が欠けていたのではないか。あの場面、長谷部は誰もマークしておらず、飛び込んでくる選手もいなかった。まず川島のコーチングがどうだったのか。そしてゾーン+マンツーマンで守っていた中で、選手が一箇所に集中してしまう状態は防げなかったのか。

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