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日本代表 11年前

なぜ今、3-4-3なのか?【ブラジルまでの果てなき航路】

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

3-4-3はあくまでオプション

 ただ、3-4-3の実用に関してザッケローニ監督は“オプション”という言葉をほぼ一貫して付けてきた。ここまで3年間、メインのシステムとして使ってきたのは4-2-3-1である。

 その中で基本スタイルを発揮した上に、状況や対戦相手に応じた3-4-3を加えて行ければ、指揮官が就任時に“カメレオン”と表現したチームに近づけることはできるはずだ。

 今後の方向性を探る上でも大事になってきそうなブルガリア戦だが、対戦相手のコンディションやモチベーションも重要になる。

 ブルガリアは組織的な堅守速攻、グラウンダーのパスを主体としたカウンターがはまり、欧州予選でも2位に付ける強敵。ペネフ監督も認める通り現在はチーム作りの途上にあるが、吉田や長谷部も“かなり強いチーム”と認識しており、1つの試合として考えても厳しい戦いになる可能性がある。

 相手を圧倒して3-0、4-0という試合は応援する側にとっても観ていて気持ちいいだろうが、タフな相手と噛み合った試合を経験してこそ、イタリア人指揮官が発信する“インテンシティ”(プレーの強度)は高まるはず。

 そのためにもブルガリア戦で可能な限りの良いパフォーマンスを発揮し、オーストラリア戦、さらにはその先に明るい展望を描ける試合にしてほしいものだ。

【了】

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