気になるシーズン移行との関係は?
Jリーグ戦略会議と言えば、先にJリーグの改革案としてシーズン移行案を提示していたが、これは欧州の動きを受けて議論が保留となったばかり。
Jリーグ改革が遅々として進まなかったり、突如として2ステージ制への移行案を繰り出してきたりする姿勢に苛立ちを覚えるサポーターも少なくないのかもしれないが、一つ言及しておきたいことは、今回提示された2ステージ制の復活案は、先般のシーズン移行案とは議論の性質が異なるということ。
「2ステージ制はシーズン移行への布石ではないか」と見る向きもネット上には散見されたが、果たしてどうだろうか。シーズン移行をテーマに取材してきた筆者としては異なる印象を受けている。
Jリーグ戦略会議は、Jリーグ改革の一つの案として長い間シーズン移行の議論を重ねていたが、これは言ってみれば、日本サッカー協会から議論を丸投げされ押し付けられたようなものだ。
日本代表の環境改善を優先に考えられたJリーグ改革案であって、Jリーグのための、JリーグによるJリーグ改革案ではなかった。詳しくは『サッカー批評62』に書いたのでここで多くの行を割くのは控えるが、結局、昨今の議論では、シーズン移行はJリーグにとってデメリットばかりが先に立ち、メリットが見えなくなっていた。
そうして今春、欧州が「春秋制へ移行するかもしれない」と示唆したことから議論は保留となったが、これを受けてJリーグ関係者には安堵の色が広がった、といったニュアンスも汲みとることができている。
【次ページ】2ステージでのメリットはどこにあるのか?