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セリエA 11年前

孤立していたインテル前監督。低迷と無関係でない監督交代の真相とは?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

孤立していた若き指揮官には同情の声も

 実績だけをみれば、確かにストラマッチョーニはアウトだ。だが彼には同情すべき面も多い。故障者が多くメンバーもろくに組めなかったのは周知の事実。そしてインテル番の記者の間では、チーム内からも十分なサポートを受けていなかったことが噂になっていた。

 少し扱いが悪ければベテランから突き上げを食らい、口論に及んだカッサーノとは手も出ていたという。医療スタッフとの溝は深まり(主任医師は一部の有力選手やモラッティとも仲が良いとの噂)、試合での誤審やスナイダーの契約問題といった揉め事の際も、代わりに矢面に立ってくれる人はいない。

 そしてストラマッチョーニは、選手層から組織までの内部改変を要求するが、それが嫌われて解任。ガゼッタ・デッロ・スポルトは26日、3名のインテル番とは別の記者の著名でその辺りの話を記事にまとめていたが、少々胸の痛む内容だった。

「ストラマッチョーニは将来有能な監督になると信じているが、インテルの重圧は大きかった。解任は、彼自身を保護するためのものでもある」とモラッティ会長は説明している。

 ただそれは、最初に判断しておく話ではなかったか。インテルのサポーターはストラマッチョーニ監督を一切責めず、シーズンの終盤にはシンパに甘い会長やフロントを、果てには医師やベテラン重視の傾向まで批判していた。何が問題なのかは、周囲にも筒抜けなのだ。

 後任のマッツァーリは、有能なフィジカルコーチも含めスタッフをナポリから連れてくる意向だという。そしてクラブが彼のやり方を受け入れ、組織が変わることが出来るのか。マッツァーリ監督の成功とインテルの復活は、戦術や補強以前に、ひとえにそこにかかっている気がしてならない。

【了】

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