続投予定だったストラマッチョーニ
そのナポリは、ベニテス監督の就任がほぼ濃厚となった。国際経験が豊富で、CLを睨むという点では最高の人選だろう。ネックなのは、前任者と全く別のシステムを用いるということ。
ナポリは2005年に就任したレーヤ監督の時代から一貫して3バックを用いており、ベニテスが好む4-2-3-1への切り替えがうまく行くかは未知数だ。移籍が濃厚と言われるカバーニの後がまをどうするかも含め、夏の補強が重要になりそうだ。
さて、ナポリと“別れた”マッツァーリ監督は様々な進路を検討。代理人を介してローマと接触したり、「興味のあるオファーがない場合は休む」とも語っていたのだが、あるクラブの招聘に応じた。それが長友の所属するインテルだったのだ。
モラッティ会長はストラマッチョーニ監督の続投で意思を固めていたはずだったのだが、意思を変えて彼を解任した。
「チームの変革に当たり、大変な一年となってしまった。そこでマッツァーリ監督の経験が必要であると感じ、私が決断した」。ストラマッチョーニの解任とマッツァーリの就任が発表された24日夜、モラッティ会長はこうコメントしていた。
育成部門で卓越した指導力を発揮し、関係者の間で逸材と呼ばれていた37歳の若手指導者は「モウリーニョの再来」とまで言われて持ち上げられていたが、最終順位は9位。14年ぶりに欧州カップ戦の出場権も逃す。こらえ性のないモラッティが、目先の成績に恐れをなして監督人事に手を付けるというのも、今に始まった話ではない。
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