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技術はまだバルサが上? 強かったが戦術的新機軸はなかったCL決勝でのドイツ対決

text by 西部謙司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

模倣しやすいバイエルンとドルトムントだが…

 バイエルンはドイツの中ではテクニカルなチームだが、パスワークの基盤ができたのはファン・ハール監督の時代だ。ドルトムントのような偏りのある戦術ではなく、オールマイティで穴がない。

 リベリーとロッベンの両サイドが距離を詰め、同じエリアで連携したときに最も迫力がある。CL決勝の2ゴールはどちらも2人の絡みから生まれている。両サイドが近づくときにはトップ下のミュラーが空いたスペースを狙う。リベリー+ロッベンの強烈な陽動の陰で、ミュラーが遊撃的に動くことで効果を上げていた。

 バイエルン、ドルトムントともに選手が大きいのでプレスの迫力がある。半面、バイエルンは決勝でドルトムントのプレスにロングボールで逃げる展開となり、ドルトムントはバイエルンにプレスされたらつなげなかった。この点ではバイエルンにプレスされても中盤までは運べたバルセロナとの技術の差は依然として存在している。

 来季、グァルディオラ新監督が来るバイエルンは技術的なレベルアップを図ると予想できる。それがさらなる進化につながるのか、それともチームを壊してしまう結果になるのかはまだわからない。いずにしても何かを壊さなければ進歩はないのだが、すべてを勝ち取ったチームを壊すことに疑問を持たれるかもしれない。

 今季のバイエルンとドルトムントは、バルセロナに比べれば模倣しやすいモデルではある。しかし、バイエルンとドルトムント自身が来季には変化することになりそうだ。

【了】

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