西川は責められるべきだったのか?
まずは62分のシーンについて。この件については西川のコメントを取れなかったため、「なぜ西川が激高したのか」は推測となる。
このケースでは、2通りの答えが考えられる。1つは「ボールに先に触れるのは明らかに自分だったのに、なぜ足を振り切ってくるのか」だ。スローを見ると、古林は西川がボールを抑えに行く状況を視認しており、つまりほぼボールタッチが無理な状況にも関わらず、足を振り抜いているように見える。
結果、古林の右足は西川の右ひざに当たった。当たる直前に力を抜いたのだとは思うが、力いっぱい振り抜いていれば西川が負傷することは避けられなかっただろう。
もう1つは「自分から当たりに来たのに、なぜお前が転がっているのか(ダイビングするな)」だ。映像を見る限り、主審が両者の間に入った後、西川は一旦離れたものの今度は水本裕貴が古林に対し文句を言いに行っている。
「当たってもいないのになぜ飛ぶのか(ダイビングするな)」あるいは「自分から当たりに来ておいて、PKをもらうような真似をするな」とも取れる。
ただ、西川の怒りの理由がいずれ(あるいは両方)であったとしても、その後試合を通じてブーイングを飛ばされるほど西川がアンフェアな言動を行ったとは思いがたい。GKチャージはなくなったものの、依然としてペナルティエリアではGKがルール上保護されている。
このシーンでより重篤な負傷の可能性があったのは、スパイクに向かって身体をぶつけていく西川のほうだった。古林がその後すぐに立ち上がって何事もなくプレー続行した様子を見ても、西川に執拗にブーイングが飛ばされることは理不尽に感じてしまう。
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