ジーコが指摘するブラジル代表の懸念材料
――貴方は現在何をされていますか?
「現在は、以前からの取り組んでいたプロジェクトZico 10を継続すべく専念している。拠点及び提携してくれる市町村の拡大を目指して、ブラジル国内を飛び回っており、ブラジル全土に広める予定でいる。
他には、講演を行っているよ。特に企業に対してモチベーションや組織作りなどをメインテーマとしてね。更には、テレビで仕事をしており、スポーツインタラクティブに出演してCLの解説も再開し、月2回土曜日に「Zico na Area」と言う自分の番組も持っている。そして、5人の孫の面倒をみるように健康維持をしているんだ」
――貴方は将来に向けての新たなプロジェクトはありますか?
「いいえ、特に何もないね。新たにとても魅力的な話で再度現場に携わる喜びを感じられる仕事でない限り、前シーズンでのイラクで心身ともに大変消耗が激しかったので、サッカーに関連する仕事または監督に戻ることは現時点ではない」
――ブラジル代表に関してですが、貴方がプレーしていた時代と現在では何か変化または違いはありますか?
「勿論。サッカーの違い、選手の違いだね。私が思うには、近年では偉大なるプレーヤーの出現がブラジルは非常に少ない。ペラーダ(草サッカー)が出来るグランド(空き地)の不足がこの要因に影響しているのではないかな。いわゆる選手の育成にね。
そして、最終的にはセレソンに障害を来たす。現在セレソンは殆ど海外でプレーしている選手で編成され、ブラジルの現実であまり活動していない選手達がメインだ。そして、若いセレソン、即ち、前W杯経験者をベースとしてチーム作りをして来た訳ではなく、更には予選にも出場していない。
フェリッパォン(スコラーリ監督)が持っている豊富な経験と能力でセレソンが素晴らしいサッカーを取り戻して再び多くのタイトルを獲得出来ることを願っているよ」