圧勝していた香川のいたドルトムント
欧州チャンピオンズリーグ決勝が終わった直後、編集部からこんな質問をぶつけられた。
「もし今季も香川真司がドルトムントにいたら、バイエルンを倒していたと思うか?」
実に馬鹿げている。勝負の世界にたらればは禁物。論じたところでどうしようもないことだ。
しかし、これが何も生み出さない不毛な思考実験であるのを承知で、試してみる価値はあるかもしれない。
現に、「香川がいれば勝っていた」と嘆いたドルトムントのサポーターがいたという(こんなどうでもいい、信ぴょう性もないことをわざわざ報道してしまう日本のメディアのレベルの低さには閉口してしまうばかりだ。そもそも本当にコメントをとっていたかも怪しい)。
香川の抜けたドルトムントは今季バイエルンとの試合で、勝てていない(2分け3敗)。一方、香川のいた2年間、ドルトムントは対バイエルンに5戦全勝(うち1試合は香川は欠場)。
特に最後のドイツ・カップ決勝では1ゴール1アシスト、バイエルンのDFを手玉に取っていた。ゲッツェが欠場したドルトムントにあって、かつてのエースがいればまた違った展開になっていた可能性は十分にある。
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