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劣勢だったバイエルン。CL決勝でドルトムントの猛攻を押し返せた要因とは?【CL決勝徹底分析】

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

狙っていた「ニアゾーン」での攻撃

 それでも、何度かあったピンチをノイアーがまさに“守護神”と呼ぶにふさわしいセービングで防ぐと、バイエルンにも流れが傾き始める。26分、リベリーの左からのクロスをマンジュキッチがヘディングで合わせるもわずかに外れた。

 31分にはドルトムントの高いDFラインの裏を突いてロッベンが抜け出す。GKヴァイデンフェラーに阻まれたが、バイエルンが徐々に押し返していく。

 前半をスコアレスで折り返した後半の60分、ロッベンが中央からドリブルで運んで、左サイド・リベリーとのワンツーからペナルティエリアの深い位置へ侵入。GKを外して中に折り返したクロスを、マンジュキッチが左足で合わせてバイエルンが先制した。

 バイエルンは「ニアゾーン」と呼ばれるペナルティエリアの深い位置へ入っていく攻撃を前半から狙っていたが、それが実ったゴールだった。

 しかし待望の先制ゴールからわずか7分後、ダンテがペナルティエリア内に入ってきたロイスに遅れて足を出してしまいPK。これをギュンドアンに決められて1-1と試合は振り出しに。

 通常であれば同点としたことで勢いのついたドルトムントが有利になるところだが、そうはならなかった。ドルトムントの前掛かりになったことで空いたDFラインの背後のスペースへロッベン、リベリー、ミュラーがポジションチェンジをしながら飛び込んでいく。

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