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劣勢だったバイエルン。CL決勝でドルトムントの猛攻を押し返せた要因とは?【CL決勝徹底分析】

通算で5度目のビッグイヤーを獲得したバイエルン。だが、今回のCL決勝はドルトムントに押し込まれる時間帯もあり、苦しい試合だった。ドルトムントの猛攻を凌ぎ、押し返せた要因はどこにあったのか?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

間延びしていたバイエルン

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決勝点を挙げたロッベン【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 バイエルンがドルトムントとのドイツ対決を制して、5回目のビッグイヤーを掲げた。

 立ち上がりのポイントとなったのは“心理面”だった。史上最速でブンデスリーガ優勝を決めたバイエルンはドイツ王者としてドルトムントには負けられない。ドルトムントとしては常に格上として君臨してきたバイエルンに勝つチャンス。

 それが影響したのかドルトムントの前からのプレッシングと素早くゴールに向かってくる攻撃に対し、バイエルンは受けに回ってしまう場面が目立った。

 バイエルンはドルトムントのプレッシャー対策として、センターバックのダンテから1トップのマンジュキッチへのロングボールを入れて、セカンドボールを2列目が拾って攻め込む形を狙っていった。

 だが、普段はDFラインから質の高いフィードを繰り出すセンターバックのダンテもパスの出しどころを見つけられず、ボールを持って考えるシーンが目立った。

 また、マンジュキッチ1人に対してドルトムントはフンメルスとスボティッチの2人で応戦。空中戦の競り合いに強いマンジュキッチでも1対2では苦しい。前線でボールを収められず、最終ラインもドルトムントのプレスによって低めの位置をとらざるをえなくなったことで、バイエルンはDFからFWまでの距離が広がった間延びした状態になってしまう。

 さらに試合前のアップでセンターハーフのシュバインシュタイガーが足首を負傷した影響もあり、準決勝のバルセロナ戦で見せたような広範囲のボール奪取もできない。セカンドボールを拾われてドルトムントにショートカウンターを食らう悪循環に陥っていた。

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