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Jリーグ 12年前

まさかの4連敗。名古屋はなぜ勝てないのか? ストイコビッチ体制が迎えた限界

text by 西川結城 photo by Kenzaburo Matsuoka

組織の部分で見える弱点

 さらに小川もこう続ける。「例えば鹿島は大迫(勇也)が真ん中で頑張って、その後ろから野沢(拓也)さんや本山(雅志)さんが拾って、前を向いて攻撃していく。そこにさらにSBやボランチの1枚が機能的に絡んでくる。

 自分たちも同じような攻撃をしたいけど、ジョシュアのところを生かし切れないのが現状。単調というか…。ジョシュアのところでボールが収まりそうなことはみんなわかっているのだから、もっと彼一人の打開力に頼るだけではなくて、そこに中盤やボランチの一人が寄ってサポートに入ったりするような、味方がいろんな動きを予測していくプレーがうちには足りない」

 ケネディがベストパフォーマンスから程遠いという現実が、チームを苦しめる遠因の一つであることは事実だ。ただ、小川が言うように、それ以上に根深い原因があることも確かだろう。

 鹿島戦は、まさにそれを示唆するような試合でもあった。「決して完敗の内容ではなかった」(藤本淳吾)ことは、試合を目にした人なら同調できる印象であり、さらに言えば前節の横浜FM戦は、内容では完全に相手を凌駕していたとも言える。

 ただし、それでも勝利を手繰り寄せられなかったわけは、名古屋にはチーム全体が局面、局面におけるプレーや戦術のディテールが欠落しているからに他ならない。

 常に中盤のスペースを狭くしてボール奪取の的を絞り、攻撃に切り替わればチーム全体で連動しながら素早くパス交換とスペースランニングを織り交ぜて、ボールを前に運んでいく。

 それが、鹿島の組織的なサッカーの姿だった。そうしたプレーを実現させているのは、一にも二にも、選手たちのプレーの共通認識。皆がその時々で同じ絵を描きながら、90分間プレーできるからこそ、細かい局面でも連動、連係した動きが積み重ねられるのである。

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