以前にも経験した4連敗
カシマスタジアムのピッチをあとにする名古屋の選手たちは、みな悲愴感漂う表情をしていた。ゴール裏に陣取っていたサポーターからは、もはやブーイングすらも飛ばなかった。4連敗。2009年シーズン以来、4年ぶりに味わうこととなったこの屈辱に、誰もが言葉が出なかった。それは虚脱感を伴うような、何とも覇気のない姿でもあった。
名古屋が苦悶している。2010年にリーグ制覇を果たし、翌年も優勝した柏に勝ち点差1の2位と、ここ数年は間違いなく強豪クラブの一画を担っていた。そのチームの歯車が、いま、完全に狂い始めている。
J1第12節・鹿島戦を1-3で落としたことで、連敗の数は4にまで上った。前述の通り、09年にも同じ経験をしているのだが、そのシーズンはリーグ戦9位という結果に終わったものの、一方でクラブ史上初のACL挑戦で、日本勢最高のベスト4という成績を収めてもいる。
名古屋が大型補強を敢行したのはその翌年の10年からで、当時は今ほどの戦力層を誇っていなかった。そのため、国内とアジアの舞台を掛け持ちしながら戦っていく中で、どうしてもチームは疲弊する場面があった。それが4連敗という数字にも、少なからず影響していたことは間違いない。
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