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香川真司 12年前

現地記者が“及第点”とした香川真司の一年 問われるモイズ体制での真価

text by 斎藤史隆 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

地元記者・ファーガソンも来季への可能性に言及

 シーズン終了後、昨季まで香川を指揮してきたドルトムントのクロップ監督は、「香川は世界屈指の選手だが、マンチェスター・ユナイテッドでは左サイドで20分ぐらい出場しているだけだ」と英紙ガーディアンに語った。

 コメントには、誇張も含まれているとはいえ、香川がトップ下というベストポジションではなく、出場時間も限られたことへの驚きと不満が出ていた。「心が張り裂けそうだった。香川のベストはセントラルミッドフィールドでやること。ゴールへの嗅覚という面では、私が見た中で最高の攻撃的MFだ」
 
 では、地元イングランド人記者はどう評価しているのだろうか。

「全く違った国や文化、新チームであることを考えれば、よくやっていると思う。今季のマンチェスター・ユナイテッドはいろいろなフォーメーションを使っており、香川もさまざまなポジションで起用されている。本人にとってベストではないポジションもあるだろうが、そういった点も考慮すれば及第点ではないか。

 ファーガソンが話しているように、来季はもっと良くなる可能性は十分にあると思う。今季の香川を10段階で評価するならば6をつける」。

 おそらくこの評価は今季の香川を代表する見方であろう。要約すれば「決して楽ではない状況の中、初年度としてはまずまずの出来。潜在能力も見せる場面もあった。今後に期待したい」となる。

 果たして来季からチームを指揮するモイズ監督は香川をどのように起用するのか。その答えが出るまでにはもう少し時間が必要だ。

【了】

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